令和7年度スタート ごあいさつ
2025年4月8日 16時55分徳島県立那賀高等学校は、那賀川の中流域に位置する、自然環境豊かな地域に根ざした学校です。「協調・研学・誠実」の校訓のもと、生徒一人一人の個性を生かし、可能性を伸ばす教育を行っています。
各学年普通科2クラス、森林クリエイト科1クラスの計9クラス、173名が在籍しています。小規模な学校であるため、生徒同士だけでなく、生徒と教職員も和気あいあいと良好な関係を築いており、毎日元気でさわやかなあいさつを交わしています。
令和7年度は、森林クリエイト科が創設されて、ちょうど10年目の節目にあたります。県下唯一の、普通科と森林クリエイト科(農業科)の併置校として、そのメリットを生かし、さらなる魅力化・特色化に向け、様々なことにチャレンジしていこうと思っています。
本校教育の特色をいくつかをご紹介します。
まず一つ目は、「連携型中高一貫教育」です。
那賀町内の3中学校(鷲敷中学校、相生中学校、木頭中学校)と連携した教育活動を実践しています。平成13年度にスタートした取組も今年で25年目を迎え、四半世紀の長きにわたり継続して取り組んでいます。授業や学校行事等で交流活動を行い、互いによい効果と刺激を与え合っています。
二つ目は、特徴的な教育課程です。
普通科では「コース選択制」を実施しています。1年生については、基礎的な内容に重点を置く「Aコース」と応用的な内容も学習する「Bコース」、2・3年生については、総合コース(「情報ビジネスコース」「福祉コース」)、「応用コース」の3コースのうちから、進路希望等に応じて各自が選択します。どのコースを選択しても、一人一人に応じたきめ細かな指導を行い、夢の実現をサポートしています。また、2年総合コースでは、農業科の科目である「地域資源活用」を授業科目に設定し、地域でのフィールドワークを取り入れた授業を展開しています。
森林クリエイト科では、「持続可能な循環社会の形成に向けた、人と森林の新たな関わり方を創造し、地方創生を担う人材を育成する」ことを学科の目標に掲げています。「フォレストキャンパス那賀」を拠点とした林業実習、最新大型林業機械やドローン等の操作実習、和紙を始めとする地域に継承されてきた伝統・文化の学習など、大学進学、就職、公務員等、多様な進路に対応したカリキュラムとなっています。
三つ目は、「探究学習」です。
総合的な学習の時間をFD(Future Design)と名付け、地域の方々と協働して、高校生ならではの発想力と行動力で地域課題の解決に取り組む授業を実践しています。地域でのフィールドワークを行ったり、同様の取組を実践している県外高校とオンラインで交流したりと、学びのフィールドを校外に広げ、活動を重視した実践的な学習を行っています。
四つ目は、「部活動」です。
6つの体育部と6つの文化部、そして1つの同好会に、全校生徒の約8割が所属しています。青春の汗を流しながら、技と心を磨き、友情を深め合っています。特徴的なものとして、那賀町の伝統芸能を継承する「人形浄瑠璃部」、那賀町の自然や文化をとことん満喫する地域協働型「地域探究同好会」があります。
五つ目は、「国際交流」です。
本校はオーストラリアのパースにあるセントメアリーズ校と姉妹校の締結をしています。令和5年度からはニュージーランドへの語学研修を実施しており、令和6年度には台湾の新化高級中學とオンラインによる交流活動も行いました。国際的な視野を広げ、国際理解を深める機会となっています。
六つ目は、本校独自の「寮」です。
学校敷地内に本校独自の「若鮎寮」、周辺地域に那賀町運営の「竜峰寮」「那賀菊寮」があり、約60名の生徒が、快適で規律正しい寮生活を送っています。仲間と助け合いながら、自主・自律の精神を育んでいます。
七つ目は、「地域との連携」です。本校は地域の方々に温かく見守られるだけでなく、各種行事の実施をはじめ、本校教育の振興に、他では例のないようなご支援・ご協力を頂いています。大変ありがたいことです。
八つ目は、「豊かな自然と清々とした教育環境」です。
山の緑と那賀川のせせらぎに包まれた本校は、校庭の樹木や四季折々の花々、鳥のさえずりにも恵まれ、心やすらぐ、豊かで落ち着いた教育環境が整っています。
今年度も全教職員が一致団結して、「生徒一人一人の夢の実現」と「Anyone can be a star キラリと光る学校づくり」に精一杯尽力してまいります。皆様方の更なるご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。
令和7年4月8日
徳島県立那賀高等学校 校長 大栗 直子